- 野球肩・野球肘

野球肩・野球肘

野球をする場合は、野球肩・野球肘について十分に把握しておくことが大切です。

ここでは、野球肩・野球肘を予防する方法についてご紹介しましょう。

野球肩

野球肩の要因

野球肩の要因は、投球する際の過大な反復するストレスです。
さらに、コンディショニング不足、使用し過ぎが関係しています。

投球する際は、投げるのは肩のみではありません。
投げる際は、腰を捻って回旋を使って、肩に増幅した力を伝えます。
野球肩は、肩の筋肉の三角筋、腕の前の筋肉の上腕二頭筋長頭、肩甲骨の上の筋肉の棘下筋が萎縮したり炎症したりすることで起きます。

三角筋は、外向きに肩関節を上げさせる、最も大切なものです。
上腕二頭筋長頭は、外に肩を捻って、かつ内に肩を捻ります。

棘下筋は、肩関節を補って、外に肩を捻る働きがあります。
野球肩は、主としてこのような筋肉や軟部組織の炎症や萎縮の要因で起きます。

野球肩の改善策

野球肩を改善するためには、肩の後面の硬さを改善します。

小円筋・棘下筋をストレッチする

背中を真っ直ぐに伸ばしたままで、腰に伸ばす側の腕を回します。
反対の手で前に肘を引いて伸ばします。
ポイントは、丸く背中がならないこと、内側に肩甲骨を寄せることです。
次に、伸ばす側の腕を反対の肩に肘を曲げて回します。
反対の手で後ろに肘を引いて伸ばします。
ポイントは、丸く背中側がなないこと、内側に肩甲骨を寄せること、顔の高さくらいに肘の高さをすることです。

広背筋をストレッチする

四つん這いで、両方の肘と手の小指をくっつけます。
この状態から、かがんでお尻と踵を近づけるようにします。
ポイントは、両方の肘と手の小指と離れないことです。

野球肩の予防策

野球肩を予防するために、インナーマッスルを強くするための筋トレについてご紹介しましましょう。

棘上筋の筋トレ

真っ直ぐに立ったままで、軽めのダンベルやゴムチューブを握ります。
肘を伸ばしたままで、腕を30度くらいに広げます。
上に肩甲骨が上がったり、斜めに体が倒れたりしないようにしましょう。
また、ゴムチューブやダンベルの負荷が強ければ、筋肉のアウターマッスルが働くのでトレーニングが効果的にできません。
ダンベルの重さとしては、2kg〜3kgくらいがおすすめです。

野球肘

野球肘の要因

野球肘というのは、投球する際あるいは投球した後に痛みが肘に現れることです。
野球肘の要因は、投球している際に反復するストレスが肩にかかるためです。
さらに、コンディショニング不足、肩の使用し過ぎ、投球フォームも要因に関係しています。
投球する動作は、肘を単に曲げたり伸ばしたりするのみでなく、ずれる力や捻る力もプラスされ、強いストレスが肘の関節にかかります。
さらに、フォームの善し悪し、肩・首、下半身、腰の安定や強さが、非常に肘にかかるストレスに影響します。
そのため、癖がフォームに付かないように、指導を的確に受けることが非常に大切です。
投球する際は、圧迫力が肘の外側には働き、軟骨の引っ張り力が肘の内側には働きます。
そのため、野球肘の場合は、肘の外側が痛んだり、肘の内側が痛んだりする場合もあります。
主な症状としては、痛みが投球する際や投球した後に現れることです。
野球肘で最も悩むのは、成長軟骨が肘に現れる小学校の高学年で、次に中学生、高校生になります。
高校生になれば、十分に筋肉が成長するため、激しいレッスンにも耐えられますが、筋力が小学生や中学生の間は十分でないため使い過ぎとフォームには注意が特に必要です。

野球肘の治療法

野球肘の場合は、投球を止めて、ストレスが肘にかからないようにすることが大切です。
骨の病変が初めの段階で重くなければ、安静にしていると治ります。
しかし、骨の病変や靭帯の損傷が重くなれば、投球が長期間できなかったり、手術するようになったりすることがあります。

整形外科で、レントゲン検査やMRI検査でしっかりと医師に診てもらうことが大切です。
野球肘を治すためには、

・投球をとにかく止める
・レントゲン検査・MRI検査を早目に受けて、異常が骨・靭帯にないか確認する
・悪い場合は手術も行う

ことが大切です。

野球肘の予防法

野球肘を予防するためには、オーバーユースを避けるために投球し過ぎを止めることです。
肘に違和感があったり、痛みがあったりすれば、無理をしないで休むことが必要です。
特に、投手は投球数が1日あたり多過ぎないことが大切で、何人かの投手をチームに置いたり、制限を投球数に設けたりすることが大切です。
最近は、次のような内容の「中学生投手の投球制限に関する統一ガイドライン」が、野球肘を予防するために制定されています。

・試合で投球するのは、1日あたり7回以内で、連続した2日間あたり10回以内とする
・全力投球を練習中にする場合は、1日あたり70球以内、週あたり350球以内とする
・全力投球で練習しない日を、週に1日以上設ける

肘が下がった場合は良くないとよく言われますが、肘の高さがコッキング期に低くなれば強いストレスが関節運動学的に肘にかかります。

なお、コッキング期というのは、ボールを持って最大に肩が外向きに回っている状態です。
野球肘を予防するためには、投球フォームを改善することも大切です。
しかし、投球フォームを改善するということでも、理想的なものはどのようなものか分からないでしょう。

ここでは、望ましい投球フォームを解剖運動学的にご紹介しましょう。

野球肘になりにくいのは肩の高さをゼロポジションにする事

コッキング期に肘が下がっていると肘へのストレスを強めてしまいますが、肘を変に高くする事だけを意識してしまうと、肩に負担がかかってしまったりしてさらに痛めてしまう場合があります。
理想的な肘の高さは肩がゼロポジションといわれる位置に持っていく事です。

ゼロポジションとは?

肩甲骨には肩甲棘と呼ばれる部位があります。
この肩甲棘と上腕骨が一直線になる位置をゼロポジションと呼びます。

なぜゼロポジションが良いのか?

コッキング期のように、腕を後方に捻る動作を肩関節の外旋と呼びます。
ゼロポジションでは、肩を支えている回旋筋腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)と呼ばれる4つのインナーマッスルのバランスが最も良く活動できる状態となり、肩の外旋がスムーズに動き、安定した肩の動きを導く事ができます。

ゼロポジションから外れた位置での外旋動作では、インナーマッスルのバランスが崩れ肩への負担を強めてしまい、その代償として肘へもストレスを強めてしまいます。
つまり肩の働きが効率よくなる事で肘へのストレスが軽減されるのです。